クリエイティブの可能性合宿のススメ

2012年4月6-9日にかけてクリエイティブの可能性春合宿が開催されます。
僕はこの合宿の冬合宿に参加してきたのですが、めちゃくちゃ面白いイベントだったので、そのお誘いのための記事です。以下がFacebookのイベントページ。参加したい人は下記ページから参加表明して下さい。

クリエイティブの可能性 春合宿(第3弾)

僕が冬合宿参加後に勢いで書いた記事は以下のとおり。興味があったら読んでください。

東北に一週間滞在してみて今一番伝えたいこと

ついでに、これも読んでくれると嬉しい。

復興という言葉の意味を考えさせられた町、岩手県大槌

このブログを継続的に読んでいる人ならわかってもらえると思うのですが、僕は震災以降かなりの数の震災復興系イベントに参加しています。その経験を元に誰かにおすすめを聞かれたならば、いの一番にこのイベントを勧めます。

何故か?

それは、比較にならないから

数ある復興イベントの中でも、抜きん出て面白いイベント。まったくもって比較にならないほど面白かった。だから、たぶん春合宿もきっと面白い。だからおすすめ。とってもシンプルw

さて、この合宿自体の簡単な経緯を説明しておきましょう。

このおっちゃん、石川淳哉さんといって助けあいジャパンの中心人物で、広告業を営んでいるdreamdesignという会社の社長。

この人が、京都の大学で「クリエイティブの可能性」というタイトルの授業を7年間くらい実施していたのですが、その受講生を東北に連れていこうと企画して実施されたのが2011年8月に行われた夏合宿。

で、企画したのはいいものの24人しか集まらなかったらしい。で、「やめるか、期間短縮をするか。。。」と弱気になっていたところに、石川さんの友人が

石川さん、「クリエイティブの可能性」東北合宿の活動費、いくらか支援させていただけないでしょうか?僕はその日程は親兄弟との旅行が入っていて行けないのですが、心は皆さんと共にあります。被災地には行けませんが、被災地入りする皆さんを少しでも支援できればと思っています。このツアーは絶対にやってほしいと思っています。10万円ほど出させていただければうれしい

とダイレクトメッセージ。で、イシジュン改心。

明日から本気出す!!

と。 

。。。 

いやいや、さすがにその日から本気出したらしいw
その時のテンション高めの記事。

強行突破!

凄くない?
なに、この少年ジャンプ的熱い展開!!

熱い!! ひたすら熱い!! (・∀・)イイ!!

で、結果どうなったと思う?

。。。
。。



寄付金100万以上集まったw (|収支報告|クリエイティブの可能性東北合宿)



俺も明日から本気出す!! まじめに思ったね、その時w
イシジュンの本気凄くない? 

結果、学生の参加費用が無料になり繰越金ができたた為、冬合宿が企画された。

で、俺参加。
で、俺感激。 
で、俺宣伝。
で、今に至る、と。

冬合宿の何が面白かったのか?

ってことで、本題に入る。この合宿の魅力を一言で表すなら。

である、という事。

見てください、このダメ人間集団な感じを(笑)

っとっと、そうじゃないやw
まあ、この密集宴会も大変面白かったのですが、本質はそこじゃない。

この合宿の魅力は

「学び」にフォーカスがあたったボランティア活動である

ということだと個人的には思う。

合宿のボランティア活動で学べたもの

「ボランティア活動」


この言葉に違和感を感じる日本人は多いと思う。

偽善的である、とか
非力な自分が力仕事することに意味はない、とか。

僕もそう感じるタイプの人間だからよくわかる。でも、一度はやってみたほうが良いと思う。言い方は悪いかもしれないが、この合宿にとって「ボランティア」とは学びを得るための手段に過ぎない。

これを不快と思う人もいるかも知れない。

僕はプログラマなのでやるとしたらプログラム周りで何かしたい、と思っていたから、いわゆるスキルボランティアとかプロボノとか言われる活動を都内でしていた。また、肉体労働では大して意味ある活動はできないと思っていたので、がれき撤去等のボランティア活動するだけのツアー等にあまり興味がなかった。そう考えていた僕にとってはこの「学び」を重視したボランティア活動という点はすごく意味があり、価値があった。

というより、全くそんな事を期待して参加したわけではなかったので意外な収穫だった。しかも大漁!!

学べたことは色々ありすぎて書ききれない。おおまかに言えば

生きるとは何か?
日本の未来は?
はたらくとは何か?

について学べた。というよりは、あらためて深く考えさせられた、というのが正確な表現かもしれない。なんでこんなに考えたのか? についての理由はいろいろあるが、一番の理由は人数構成だと思う。学生30人社会人15人位の構成で、学生主体の合宿に社会人が混じる、という形が良かったのだと個人的には考える。

学生のみ、とか、会社つながりとかで社会人のみ、というケースは散見される気がしますが、学生主体に社会人が少し混じるという形態は聞いたことがない。この形式が良かったと思う点は、社会人は学生とあまり接点がない、ということもあるが、それ以上に「学生達の深い部分から出る素直な言葉」に触れることがまずないので、それに触れることができた。という部分。

また、社会人も学生たちの情熱に煽られて、結構ぶっちゃけトークをしたので学生側にも少なからず刺激を与えていた、と思う。というより思いたいw

この煽り煽られの関係性が学びを広く、そして深いものにしたのだと思う。
この学びは、学生のみでも社会人のみでも絶対に得らることができない広さと深さ。
だから改めて思う。この経験は刺激的で稀有だった、と

この合宿で生まれたもの

この合宿で生まれたものは沢山ある。主には人間関係だろう。
でも、僕の中で一番生まれたのは


やる気


そう、かの有名な 「やる気! 元気! 井脇!」 のやる気だw
どのくらいやる気が出たのかというと「やる気茶屋」並には出た!!

そう、そんな空回りしている感じのやる気だ (涙)

まあ、それはいいとして、このやる気は「はたらくとは何か?」と深く向き合った結果かもしれない。まあ学生たちの頑張りに煽られているとかそういう部分も多々ある。相乗効果だね、いわゆるひとつの。

だから「はたらく」という事になにかしらのひっかかりを感じている人にとっては、行ってみる価値は絶対ある。間違いない。

このボランティア、役に立った?

ここで少し「このボランティアは東北の為、被災者の為になにか役に立ったのだろうか?」について考えてみる。

僕は「僕が肉体労働系のボランティアをやったって大したことが出来ない」と思っていた。経験した後の今もそう思っている。でも、やってよかったと思う。

意味がない、と思ったまま
意味がないと思っているが、やってみた。やっぱり意味がなかった

という2つの事象の差異は、結論的には同じかもしれないが、やはり違うものだと思うから。

物理的にガレキが片付いたかどうか? という観点からすれば大したことはできなかった。でも、言い訳させてもらえば「ゼロでなかった」ということには多少の意味があったと思う。ゼロでない限りは積み重ねることができると思うから。

この無力感は「3日で答えをだそう」とか「意味ある貢献を残そう」とか、思い込んでいたからなんだと思う。簡単にいえば気合入れすぎて功を焦っている状態だったからだと思う。

あれだけのダメージ。短期間で解決できることなど何もない。そういう考え方はとりあえず置いておこう。この合宿をきっかけに自分の学びを最大化させればいい。自分のためだけに参加してみたらいい。

本気で学び、本気で遊んだ合宿だった。だから僕は、この合宿は「大人の修学旅行」である、と伝えている。最強に楽しい合宿だったから。

これを聞いたあなたは、もしかしたらこう思うかもしれない。

「それって自分が楽しんだだけの自己満足じゃん!」

たぶん、そんなこと。
でも、今の僕ははっきりとこう反論する。

「それの何が問題ですか?」

かなり、イッちゃっている反論だとおもうが、割とまじめにそんな事を思っている。

世の利益と自分の利益が一致するという事

この合宿の2日目に、陸前高田で現地の方と共に畑仕事を手伝うというボランティアをしたのだが、その作業の合間の雑談の中で、現地の方が「ボランティアするということ」についてこんな話をしていた。

自分でやりたいからやる。これが、世の為だったり、倫理にあっていればなおよし。
世の利益と自分の利益が一致しているのは幸せなこと

自分のためでいいんだよ、そんなシンプルなメッセージ。

わずか3日で東北に残せるものなど何もない、と今でも思う。
でも、行ったほうがいい。
いま「自分にとってはたらくとは何か?」について深く考えることにはきっと意味がある。

今だからこそ意味がある。

そして、社会の利益と自分の利益が折り合う働き方とかについて考えると思う。
その結果、今の自分の仕事に真剣に取り組むようになるのかもしれない。
あるいは、折り合う働き方を見つけようと今の仕事をやめるのかもしれない。

それはわからない。

いづれにせよ、自分の心の中で働くことについてのポジティブな変化が生まれると思う。この合宿の主催者であった石川さん(冬合宿主催者は中島明さん)はこんな理論を唱えている。

101%理論

詳しくは、本人の記事に譲るとして、簡単にいえば今日の仕事を昨日より1%だけ本気に取り組むようにすれば、その積み重なりは膨大なものになる、という理論。

この合宿に参加して、その後一切東北にボランティアに行かなくなったとする。僕はそれでいい、という考えの持ち主。何度も東北にボランティアに行くということは、費用対効果からみれば明らかに効率が悪いと思っているから。

だから全国民が一度だけ行けばいい、と思っている。

この考え方に批判的な人もいると思う。遊びがてら来てもらっても困る、そんな批判。その批判はよくわかる。でも、僕はそう思っている。究極的には

合宿を通じて参加者の心に1%のやる気が生まれさえすればいい

それだけでいい、と思っている。101%理論ではないが、この合宿をきっかけに参加者の1%のやる気が死ぬまで続くようになれば、そこから産み出されるパワーは膨大なものになる。

でもそれって東北と関係ないよね? と思うかもしれない。

それはちょっと違う。もし、この合宿をきっかけに参加者が「自分の利益と社会の利益と折り合う働き方」を見つけられたとしたら、その膨大なパワーの何割かは自然と社会貢献へ注がれることになる。そうなれば、その参加者が日本で活動、あるいは世界で日本人として活動する限り、その貢献は日本という器の中にたまり続けることになる。

そして、東北が日本の一部であり続けるかぎり、その貢献の一部は必ず東北へ注がれ続ける事になる。

そんなふうに「3日で成果を出す」という思考をやめ、参加者の残りの人生という長いスパンで考えることに変更してみると、必ずしも東北に通い続けることだけが最善の貢献方法ではない、ということが見えてくる。

僕はそんなふうに考えている。自己満足への欲求はどんな人間だって強い。おそらく一番強い感情。だからこそ、自己満足の方向と社会の利益の方向とを一致させられさえすれば、あとは自己満足の最大化のみを考えて行動するようにするだけでよくなる、と考える。

これが正しい答えなのかどうかはわからない。でも僕が合宿を通じて出せた大切な答えであることは間違いない。

あなたがこの合宿に参加することで、どんな答えを見つけるのかはわからない。

でもどんな答えを見つけたとしてもその答えはきっと、この先の人生においてずっとあなたの心を1%だけ励まし続けてくれる大切な答えになると思います。きっとそうなる。

だから行ってみて欲しい。

春合宿の主催者について

今回の春合宿は冬合宿参加者の野田さんというナイスガイがファシリテーターを務めます。助けあいジャパンで活動している人だ。野田さんがどんな考え方をする人なのか、については以下の記事を参照してもらえるとよくわかります。はてブとイイネが1000を超えるという力作です。

これからの30年を考える7つのメガトレンド

ココらへんもおすすめ
togetterにまとめきれなかった、グローバリゼーションの本質

冬合宿参加の感想はこれね。
クリスマス 東北へボランティアに行った 若者たち

最後に野田さんのこの春合宿にかける思いが詰まった記事。
続けること、伝えること:1%の1歩先へ


全部長文だけど、読む価値はある記事ばかりなので暇があったら読んでみてください。とても魅力的な人間なので、野田さんと旅行をするというだけで、きっと楽しい合宿になることは確実です。

寄付のお願い

この合宿のもう一つ面白い点は、学生たちのは大人たちの寄付によって代金が安くなる、という形式をとっている所。最初これを聞いた時「無茶するな。集まるんかいな」と思ったものですが、結構集まるもんですね。以前の僕ならこれに寄付しようとは思わないかったのですが、今回は寄付しようと思っています。僕の寄付で、この合宿に学生を一人送り込めるのなら安いな、と思えるからです。

この寄付で一人の学生の残りの人生で生み出せるエネルギーが何倍にもなったのなら元は十分に取れるでしょう。きっとそうなります。そう思えるものがこの合宿にはありました。だから僕は自分の未来にかかわる日本の未来の為に「人に投資」しようと思います。それが家や株に投資するよりもずっと楽しくて効率のよい投資だと思うから。

ちなみにちょっとしたリターンもありますよ。ただ、それが寄付した人にとって払った分の価値があるかどうかはわかりませんが。。。 この文章や、イベント紹介ページの文になにかしらの引っかかりを感じた人は寄付をお願いしたいです。

下記がその寄付先の口座です。 

三菱東京UFJ銀行・笹塚支店(138)・普通 0122475
名義:ノダユウキ 

個人口座なところが、取込詐欺っぽくて恐怖でしょw 主催者の人格が疑われる部分ですが、それでも集まっちゃうところがこの合宿の面白いところだと思います。この寄付によってリターンがあるかどうかは不明ですが、たぶんきっとその分日本の未来は明るくなると思います。間違いない!!

最後に

いろいろごちゃごちゃいったけど、僕の伝えたい事は割りとシンプル。
ということで、最後になりますが伝えたい大切な言葉を画像にしてみました。



復興支援ITボランティア参加レポート

第9回復興支援ITボランティアが、2012/1/19(木) - 2012/1/22(日) 1泊4日(バス車内泊2日) という鬼計画wで実施されましたが、それに参加してきました。この記事はその参加レポートです。この活動をあえて一言で表現すれば

「仮設生活の今、の一端に触れられるボランティア活動」

という感じです。

がれき撤去系のボランティアは、個人宅の場合はともかく通常はひたすら仕事で、現地の人と会話することは稀です。基本的にボランティア活動をする場合、ボランティアセンターに活動申請する必要があり、どんな仕事をするのかは現地についてからではわからないのが現状です。ボランティアニーズは日々変わっているので、運良くコミュニケーションが取れるボランティア活動をすることができることもありますが、はっきり行って運まかせです。

しかし、このITボランティアはボラセンとか社会福祉協議会とかを通さずに、個別に現地とコンタクトして活動地、活動内容を設定していようなので活動内容が明確です。そして、月一回の活動(今回が第9回)をコンスタントにこなしているからか、現地との関係性が結構良好だと感じました。すばらしい。

僕はタイプの違う活動にいくつか参加していますが、この活動が他の活動に比べ良いと思った点。

被災状況もいろいろ、被災者もいろいろ

そんなことをよく言われますが「被災者もいろいろ」ということが肌感覚でわかる、という点です。基本的な活動は仮設住宅に併設されている談話室、集会場等の場所で、仮設住宅住民のPC周りの相談事に乗る、というもの。だから、本質的にPC操作をネタにしたコミュニケーション活動なんです。まさにICT活動。

XBOXとKinnect持ち込んだチームとかは遊んでたりしますw
チョー羨ましかったですw

でもそれでいいと思うんです。つながりが出来るってことが重要で、地道に成果を積み上げることが出来るようになるにはたぶんそこが一番重要な気がします。そこらへんを意識して活動している感じが好感触でした。そもそも、仮設の集会場を借りるってことだけで結構大変。地道にコンタクトとり続けない限り難しいことなので、スタッフの苦労が偲ばれます。ご苦労様です。

集会場はこんな感じ

相談内容は、名刺作りたい、BLOGつくりたい、デジカメデータの保存とか、様々です。基本的に要求スキルは高くないので、仕事でPCを操作しているような人たちならほぼ問題なく対応できます。また、自分が対応できない問題でも5人位のチームで行動するので、適宜仲間に仕事を振れるので安心です。

基本的に相談に来る人は、積極的で前向きな人が多いのでサポートしていて楽しいです。こっちも元気をもらえる感じ、といえばわかりやすいでしょうか。でも、前向きな人ばかりではありません。それは仕方のないこと。自分が同じ状況に陥って前向きになれるとは思えませんしね。

支援側の力も限られているので、まずは前向きな人から支援して輪を広げて行き、周りの人も前向きにしていく流れをつくる、というのが支援する側もされる側も笑顔になれる方法だとずっと考えていました。この活動は、そういう流れを作り出している部分があるので良い活動だと素直に思いました。

そうそう、活動一日目に偶然、国連と第一興商が主催する移動カラオケトラックが仮設にやってくるという出来事に遭遇したので、そのことについて。

ただのカラオケ施設かと思ったら、医者(セラピスト)とセラピー犬がセットで来訪するらしく、引きこもりがちな仮設の人を慰問、相談等させやすくさせるためにカラオケを利用しようとする試みらしい。凄く面白い試みだと思う。詳しくはこちら

移動カラオケトラック室内の写真

最後の活動地? は大船渡復興屋台村で食事。とても楽しい空間でした。

ITボランティア活動は毎月実施なので、2月も予定されています。世間話好きならきっと楽しめるはずなので、興味のある人は参加してみたら良いと思います。

また、被災地全般のことを深く考えたい、学びたい。ということならクリエイティブの可能性春合宿が4月頭頃に予定されているので、そちらをお勧めします。詳細が決まり次第、記事を書く予定です。

復興という言葉の意味を考えさせられた町、岩手県大槌

2011年12月21日に助けあいジャパンの情報レンジャーで岩手県大槌にある仮設商店街と復興食堂に行ってきました。
その時の感想レポートです。


この写真は店の入口や店内です。

復興食堂のことは以前の情報レンジャーのレポートで知っていました。その時は正直「何にでも復興と名をつけるんだな」と多少軽く見ていた所がありました。

しかし、実際に食堂に訪れてみて周辺を歩いてみて「復興食堂」と名を掲げたことの重さを痛感させられました。

下の写真はその店の前の写真です。何に見えますか?

これ、元駅だった場所です。つまり、この周辺は一等地だったわけです。その証拠にすぐ近くに町役場があったそうです。

下の写真は店の周辺の光景。あたり一面一切破壊されている様子が見て取れます。

正直悲惨な写真を見せて関心を惹くやり方は好きではないのですが、そういうことがどうでも良くなるくらい伝えたくなるものがあったので、あえてそうしました。

この情報レンジャーに参加した2日間は被災地を回り、被災した人やサポートしている人の話を聞いて回りました。今回はじめて回ってみたわけですが、いろいろ考えさせられました。とは言うものの、想像を超えた被害というものに出会うことはありませんでした。すべて想像の範囲内です。ひどい発言かもしれませんが、正直な感想です。

TVの映像、写真、その他で嫌というほど、際立った悲惨な状況を見ていますから、きっと麻痺しているのでしょう。ある意味悲惨慣れしているのかもしれません。だからなのでしょう、想像を超えたと思えるものは何もありませんでした。しかし、想像できなかったことはありました。

それは「そこには普通の日常があった」という事。

復興食堂の前が駅であったことを教えてもらい、復興食堂のテントを出て周りを見渡さない限り、僕はきっと想像することはなかったでしょう。

駅前で何を食べようか? と相談している人達、電車を降りて車での迎えを待つ人、そんなどの街にでもある普通の光景。当たり前で退屈な日常。

復興したいもの、とはもしかしたらそんな退屈だった日常なのかもしれません。そんな切ない思いに、ここに来て自分の足で歩いてみるまでは考えてすらいませんでした。そんな程度の考えで「復興と名前付することを軽い」と思っていたわけです。本気の思いに対して失礼すぎる感覚でした。

写真や文章をどれほど見、読んだとしても伝わらないものがあり、たとえ伝わったとしても意味が無いものがある。

現地を車の中で見てもわからない事があり、車を降り自分の足で歩くことでようやく感じることができるものがある。

そんなものが確実にあるのだ、ということがよくわかった2日間でした。

一度は被災地に足を踏み入れてみるべきだ、いままで何度も聞いたセリフです。しかし、このかつては軽く聞こえていたセリフが今重く響きます。この2日間で様々な事を思い、様々な事を感じました。しかし一番重要だと思えることは、足で感じた言葉に出来ないこの感覚です。

この文章にたどり着くような人なら大なり小なり、心のなかにいいようのない引っかかりを持っているはずです。現地にきた所でそのひっかかりが取れることはないでしょうが、もしかしたら価値あるひっかかりに変わるかもしれません。

この2日間、復興という言葉について深く考えさせられました。いままでそれなりに考えてきたつもりでしたが、考え続けることではたどり着けない感覚があることがわかった2日間でした。

ですから、もし少しでも興味を持たれたら、情報レンジャーに参加してみてください。情報レンジャー活動は敷居が高いようにみえますが、石川隊長は優しいし案外ゆるいので安心してください。もしくは、遠野まごごろネットが主催するボラバスツアーが3000円で運営されているので、それに参加するのもよいかもしれません。

どんな方法でも良いのです。とにかく現地に行き自分の足で感じ取ってみてください。僕とは違うものを感じるかもしれません。しかしそれはきっと自分にとって誰にも伝えることができない価値ある何かであるはずです。ぜひ検討してみてください。

あけましておめでとうございます

去年のクリエイティブの可能性冬合宿が非常に面白かったためテンション上がったまま2012年を迎えました。

今年もよろしくお願いします。

で、オブジェクト指向関連の記事を書いていた途中にその合宿に参加してしまったため、そこらへんの記事が現在絶賛放置プレイ中でございますw ここから気合が入る予定だったのですが、いろいろ書きたいことが増えすぎました。すいません。

まあ、そんなかんじですが、合宿メンバーへのメッセージの方をとりあえず優先したいので再開は未定です。また、今までは一週一記事を目指していましたが、3/11までとりあえず不定期更新にしたいと思います。

なぜかというと、今まで考えていたいろいろなことをひとつの形にする為、鋭意Webサービスを開発中だからです。その復興支援系のWebサービスを3/11にベータオープンをしたいので「BLOG書いている暇ねー」って感じになっています。

そんな感じでなので BLOGは放置気味になります。とりあえず、情報レンジャーの活動で書いたレポートへのリンクを貼っときますので、それでお茶を濁したいと思いますw

@リアス鹿野さんの話を聞きプログラマとして考えた支援の形

東北に一週間滞在してみて今一番伝えたいこと

とにかくインプットの多い一週間だった。

正直今まで行くチャンスはたくさんあったのだけど、現地に行ってしまったら感情が刺激されすぎてボランティアとか震災復興とかにどっぷりと係わる原因になるような気がしていて二の足を踏んでいた所がある。ボッチ参加じゃ無理とか、大した事出来なさそうとかいろいろ理由をつけてね。まあ結局深入りしそうなんだけどね。

行ってみてまず思ったことは、早い段階で来るべきだった、ということ。勢いで行ってみるべきだったと思う。そんなかんじだから、とりあえず伝えたいことがあるとすれば、

やっぱり現地の土を踏むべき、自分の足で

ということを伝えたい、かな。この手の事は言いたくないのだけど、やっぱり行ったほうがいいと思う。それはボランティアに行け、っということではなくてね。

はっきりいえば「被災地はこんなにひどい事になっています」的な同情をキーにしたアプローチは好きでないので、そういう誘い方もあまり好きではないです。

また「被災地の為に」ということが考えに入ってくると、同情が薄れた場合に消え行くプロジェクトにしかならないと考えているので、本当に続ける価値があるものを見つけられるようにするため意図的にそこらへんの感情をOFFにしていたりします。

だから「ボランティアをして助けてあげて欲しい」というメッセージもしっくりこない。それでも行って欲しいと思う。だから言葉にする。

とにかく刺激的だから行ってみたほうがいい

ひどい誘い方かもしれない。でも正直そんな下らなかったり、よこしまな理由でいいと思っている。理由付けなんて何でもいい。現地の土を自分の足で踏みに行きたくなればそれでいい。そしてその結果「ボランティアくだらね」の様なマイナスの結果になったとしてもそれでいい。

とにかく ゼロでない ってことが重要

ゼロに比べたらマイナスの方がまし。おすすめは、僕が参加したクリエイティブの可能性-東北冬合宿 のようなファシリテーターがいてファシリテーションがしっかりしたもの。同行していたJTBの添乗員に聞いた所、現地観光とボランティアが半々になったようなツアーがあるようなのでそういうタイプが合宿の形式に近いのでお勧め。

が、一番おすすめは現地でレンタカーを借りて海岸沿いをひたすら走り、気になった所で降りて見ること。それがたぶんメディアとかから得たあらゆる情報が一気につながる方法だから一番知的刺激を受けると思う。ぼくはイベントの空き日に一日だけ気仙沼-南三陸町-長面浦に向けて走ったのだけどものすごく印象深かった。

いまからじゃ正直遅いだろう、と思うかもしれない。でも、逆にいまなら道路が舗装されたりしているので車で短期間に広い領域を回るにはいいタイミングと思う。

とにかく、です。行く理由がマイナスでも、帰ってきて得た結果がマイナスだったとしてもゼロでないということこそが重要。

小学校の算数の時間「マイナスとマイナスをかけるとプラスになるって不思議」とか思いませんでした? ゼロでない限りプラスに変化することはありうるんだからマイナスしか残らなくったっていい。自己満足でいい。物見遊山でいい。俺が言うようなことではないかもしれないが、被災地の為になにもしなくたっていい。とにかく伝えたい事は

今被災地に足を踏み入れた経験は、どんな形であれきっとあなたの知恵になる

そんな事。素朴に、素直にそう思える。だから行ってみて欲しい。それが今一番伝えたいこと

17日(土)から一週間程東北旅行中でございます

いい忘れてましたが、前記事からの続きは2週間ほど休みます。なぜなら、タイトルの通り東北に来ているからですw

Hack for japan と共催的なイベント「ネットアクション in 石巻」が17-18日にかけて石巻にて開催されたため、それに参加しました。現地には賞味4-5時間くらいしか滞在せずにバスに揺られている時間のほうが長いというw 結構な強行軍でした。

僕はその後20-21日にかけて助けあいジャパンの情報レンジャーという活動に参加した後、22-25日にかけて情報レンジャー隊長である石川さんが主催していた「クリエイティブの可能性合宿」というボランティア兼観光みたいな社会人・学生半々くらいの面白合宿に参加予定の為、18日気仙沼、19日北上に宿泊することにしたので、帰りのバスからは石巻で降りました。

そんな感じでイベントが重なったので、結果として一週間程東北滞在することにw まじでBLOG書いてる場合じゃねぇ、って感じのスケジュールになってしまいましたw

また、本当は22日からの合宿も現地から途中参加する予定だったのですが、主催者の人が最初から最後まで参加することで合宿は完成します、的なことを言われたので21日に一時東京へ帰京する、という変則的な旅行になってますw

岩手釜石 (深夜バス)→ 東京 (深夜バス)→ 宮城陸前高田 というどんな遠回りだよ!! という話なのですが、真実に近づくために必要な遠回りなのだよ、と強引に自己洗脳することで自己解決しましたw 森の中で迷わなければ家にいる鳥が青い鳥だと気が付かない的な… なので、現在絶賛青い鳥症候群発病中でございますw

深夜バスに乗った次の日は眠くて仕方ない感じで、大事な事が一切頭に入って来なかった気もしましたが(゚ε゚)キニシナイ!!

まじで、ねむいんです。ひたすらねむいw なぜなら眠りに関しては乙女のように繊細だからだ。乙女座生まれなだけにね! ちなみに、その他に関しては標準的オッサン仕様 +α なのは内緒だw

まあ、そんな感じなので今日はよく眠れましたw 

19日は現地でレンタカーを借りていろいろと見て回りました。感想はいまはちょっと言葉にはならないです。後日改めてまとめようかと

ということで、中途半端ではありますが、また来週

オブジェクト指向言語が与えた開発手法への変化(3)

今回はリファクタリングについて書こうと思っていたのですが、書いてみたら長くなったので別記事にしようと思います。なので次にいきます。

章立てをして見出しを決める

この「見出しを決める」という行為は、その章の内容を一言で表現できる言葉を見つける、という行為だと思います。まあ、章を読ませるために思わせぶりな見出しをつけることもあるでしょうが、大抵の場合は一言要約的なものか、重要と思う事を見出しにするはずです。

自分の言いたいことを一言で要約するのは結構難しいですね。書いている内にいろいろ発散してきたり、書かなければいけないことに気がついたり。それに比べると、長くだらだらと思ったことを書くのは楽です(このBLOGのように)

ここらへん、オブジェクト指向開発の設計工程における「抽象化」と似ていると思うんです。「抽象化」はオブジェクト指向の設計において最重要テーマであり、それ以前の設計から見ると新しい概念です。ここを理解できるかどうかでオブジェクト指向に対する見方は180度変わるといっても良いくらいです。

しかし抽象化をどう説明するべきか、は大変難しい問題。どう説明してもフワフワするので、「本を作る」という隠喩(メタファー)を通じて、オブジェクト指向にこだわりを持つ厄介な人達w(以下OO厨と略す) が何を重視しているのか? を伝えたいわけです。

さて話を戻します。見出しやタイトルを考える作業と設計における抽象化、が似ていると思う点は両者とも本質の見極め、抜き出し作業だと思うからです。前者は自分の書きたいことの本質を伝える一言を見つけ出す作業。後者は対象クラスが持つ「〇〇らしさを決定づける重要なこと、本質とは何か?」を見極める作業。

この2つの作業は結構似ています。しかも、この作業の比較分析はオブジェクト指向開発のプロセスに起こったある重要な変化について説明するには良い題材だったりします。が、比較分析に関しては次回。

とりあえずまとめ

さて、なぜ「本を作る」という隠喩(メタファー)にしたのか?

それは、ある程度の長さプログラムを書いたことがある人は多くありませんが、ある程度の長さの文章を書いたことは誰にでもあるだろうからメタファーとしては良質だと考えた、という事。もうひとつは、同じ内容のことを別の表現に「書き直すこと」について考えてほしかった事、が理由です。

BLOGでも記事でも本でも何でもいいのですが、一度書いたものを読みなおしたり書きなおしたりせずに公開するだろうか? と考えれば、誰だって「読みなおすし、書き直すよ。当たり前だろ?」 と答えるでしょう。

しかし、それをプログラムに置き換えると変な回答をする人達が出てくる。曰く「プログラム書きなおしたらバグがでるからやめろ。動いているそのままの君でいいんだ。そのままの君でいて(意訳)」と。言いたいことはよくわかります。

が、あなたは思うままに書いた文を見直しもせずに、卒業文集に載せるのかと! 一生モンの羞恥プレイをするのかと! 小一時間問い詰めたい

文を書くなら「見直し、書き直す事が当たり前」に思えるのに、プログラムとなると「書き直し(≒リファクタリング)は、バグだ、コストだ」と暴れん坊将軍が馬にムチを入れだす始末。吉宗に犬鍋、そんな気分。

リファクタリングの価値に気が付きにくいのは、オブジェクト指向開発の設計工程に重要な変化が起きた、ということに気がついていないから、だと思っています。

その為、次回は「設計工程におきた重要な変化」について掘り下げていこうと思います。

# よくよく考えたら、オブジェクト指向言語初心者向けに書き始めていたのに、
# いつの間にか管理者説得向け記事になっていましたw
# 思うままに書いた結果このザマだよ!! orz
# 抽象化がどうにも伝えづらいので、これら記事の前にコードベースで抽象化に
# ついて説明する記事を書いておけばよかったと今さらながら反省しております。
# 書き始めると書きたいことがどんどん増えていくため当初考えていたより
# だいぶ長くなってしまってグダグダ感に拍車をかけているのが現状です。
# おれの見積り精度低!!
# ということで、まだグダグダと記事が続きますが
# お付き合いいただけるとありがたいです。