sinsai.info シンポジウムに参加してきました (2)

続きです。データ班の発表。リーダーのぺらねこ[twitter:@peraneko]さんから。

まず司会者の紹介がいい感じ。

「公共の電波で社会人としてはあるまじき発言 「部屋出たくない」 宣言を
 されたぺらねこさんの発表です」

が笑えましたw 公共の電波はTwitterでしょうか、よくわかりませんがw

全般的に村上さんのツッコミは面白かったですが中でも、どのタイミングで発言されたかは忘れましたが以下の発言が秀逸でした。

各分野の専門家が、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動全般の事をプロボノ というらしいですが、sinsai.infoの全体的な活動(おそらく開発系)をさして

  「普段は家から出ないひとたちによるプロボノ

という表現、秀逸ですw マケボノ的扱いw

さて、そのぺらねこが参加された経緯から。まず、知り合いの[twitter:@yuiseki]さんと連絡を取り合い、参加。たまたま知っている人も多かったので開発に入ろうかと思ったけど、エースしかいないと思い足を引っ張ると思いデータ班に参加された、とのこと。

現在250人位(おそらくのべ人数)いるが全然人が足りないのが現状らしい。また、コールセンターでの半年間チームリーダーの経験から、エスカレーションルートを安定させないとアウトプットが安定しないと感じたので、チーム作りにコミットし継続的に活動が出来るように、活動方針を作成。ただ、原発関連は妥当性が確保できないため全てペンディングすることに。一つ一つのタスクの作業時間を短くする事で短時間の参加が可能と考えている。この辺りの意見は是非いただきたい、とのこと。

現在の問題点として、おおよそ「レポート量が10人/日、レポート承認が20人/日」の労力が必要だが足りていない。特に承認作業については、完全に人手不足。承認作業はsinsai.infoのメディアとしての価値を高める差別化のポイントでもあるので人を増やしたい。しかし、時間的にも体力的にも大きな負担になる作業なので、多くの人が作業しやすいようにひとつひとつのタスクの作業時間を短くし、負担の軽減に努めている、とのこと。

今回の参加が始めてなので現状を追いきれていないが、ぱっとみの印象として承認作業はハードル高そうな気がします。レポート化は情報の整理だから個人的責任は薄そうだけど、承認作業は情報の裏取りみたいだから、簡単な裏取りで承認して、問題が出たとか、そういう個人的責任につながる事を忌避する人は多い気はします。TwitterのRTでデマ拡散とかの叩かれ様を見ている人は尻込みするだろうことを考えれば、いろいろ難しい問題がある部分な気はする。

ひとつの解決方法としては、行政用とか商工会議所とかの準行政機関用に入力用ページを用意して、そこからの入力は予め信頼度をあげるような、そういうSNS的なアプローチである程度機械的に信頼度を調整する仕組みを設けるとか、そういったプログラム的アプローチがあるかもしれません。

各行政機関とか決め打ちならまとまったデータがあるだろうから、リンクの一括作成は簡単そうだしGETのパラメータをつければ、レポート投稿画面にデフォルト値を決め打てそうだから入力も簡単になる。認証の問題を超えれば割と簡単に作れそうな気はする。まあ、こういう機械的アプローチが良いのかどうかという問題はあるかもしれないけど。

レポート投稿画面を見て思ったのは、入力項目が多いので入力しようとして途中で諦める人は結構いそう、ということ。行政系なら部署毎に、告知や募集内容は決まっているだろうから入力要件を洗い出しさえすれば、自由テキスト入力以外は機械的に決めることができそうなので情報の集約はうまく進みそうな気はする。もっとも、管理画面経由のレポート投稿画面だとまたちがうのかもしれない。ここらへんはUshahidiの仕組みをよくわかっていないので適当なことをいっているかもしれない。

個人的なことですが先週、今週末行われる Hack4jpの会津若松会場の参加のついでにボランティアをして帰ってこようと考え、ボランティア募集の状況を調べたのですが、情報が引っかかりすぎて結構難儀したので、ここらへんの整理・集約できたらありがたいな、と思いました。ただ、いろいろ解決方法を考えてはみたのですが、行政とかからむしいろいろ難しそうですね。

結局予定の都合がつかず東京会場での参加に変更したのですが、ボランティア参加は6月位に都合をつけて再度挑戦しようかと思っています。

次は、古橋さん[twitter:@mapconcierge]さんより、CrisisMappingの紹介とふりかえりについて。

全部で140ページのプレゼン資料を10分で説明するという超スピード解説w
興味深い内容なので全部聞きたかったのでどこかで再演お願いしますw

追記:
プレゼン資料が公開されたみたいです。読み応えがあって面白い。公開ありがとうございます。

早すぎて内容を追い切れなかったのですが、印象に残った部分が2点あったのでそこら辺を。

まず一点。

「GoogleMapは無料(Free)だけど自由じゃない、改変禁止。
 MicrosoftのBingは意外にも改変OK
 なのでMicrosoftの方が実は優先順位は高い」

という話。で

「OpenなイメージがあるGoogleより、Closedなイメージがある
 MicrosoftのBing方がOpen。なので sinsai.info の表示順位も
 よりOpenなBingの順位を上げるべきw」

と、すこし笑い話風に言っていましたが、セッションが終わる頃にはもう順位が修正され変わっていた、というオチがつきましたw 開発者が現場にいる強みが発揮された事例。オープンソース開発の本領発揮でございますw (最も新UIだけみたいですけど)

追記:18日の14:00頃確認したら旧UIも変わっていましたw さすがですw

もう一点は

「通常なら集団活動でネックになる時差が、OSM(オープンストリートマップ)では
 強みになる。何故なら、誰かが起きてるから活動が止まらない。その事により
 24時間監視が可能になった」

という話。なるほど、と膝を打った次第。

その他は「クライシスマッピング = 被災地の活動を、衛星写真からの地図作りで支援」であることの説明や、実際にデータを取りに現地に行った時の紹介。実際OSMの地図を見ると津波による被災範囲を確認することが出来るようになっているようです。

マッピングチームの課題は、背景地図の充実と震災情報連携など。現地との連携強化を目指し、どんどん情報をもらい更新して行きたい。また、海外コミュニティとの連携も強化したい。この辺は普段からの訓練が重要と考えている、とのこと。

ながくなったので、また後日。

PS:Togetterにまとめができていたようで、今日気がつきましたw