義援金に対する3つの違和感を解消してくれたもの (3)

テキストの内容とタイトルがずれてきたのでタイトル変えました。



「一口オーナー制度」が興味深いと思った3点目

どこに行ったかわからないお金、想像できない笑顔
→ 小さな成功体験の循環、想像できる笑顔

たとえば今集まっている義援金と同額をこれから集められたとします。これって集めること自体が相当きつい。おそらく不可能だと思います。しかしその難題をクリアできたと仮定します。

その場合、被災地の人が元気になる姿を想像できますか?

… たぶん、無理ですよね。金額は適当ですが、配られるお金が200万から400万へ変えられたとしてもたぶん気持ちは殆ど変わらないと思います。仮に一億ずつ配られることが出来るようになったとします。今度は周囲の嫉妬等のべつの問題が発生すると思います。努力を重ねた結果の笑顔を想像できないって結構辛いと思います。しかも、ものすごい努力した後すら想像できないわけですし。

義援金はどこまで集めればいいのかの底が見えない。笑顔も見えない。そもそもちゃんと届いているのかすら見えない。そんな進めば進むほど泥沼化するような不安が募る、そんなイメージが僕の中であるので、義援金を集めるというモチベーションがあまり湧いてこなかったんです。でも、まあないよりあったほうがましだろうから、活動するなら義援金が集まるようなことに貢献したい、とは思っていました。

しかし「一口オーナ制度」を知り考え続けた結果、いくら積んだ(積めた)所で大して変わりはしない事をはっきり理解した。義援金を受け取る時、失ったものと得たものをどうしても比較してしまう、そんな気がします。むしろその事を際立たせてしまう可能性があることを考えると逆効果ですら有るのかもしれません。

こういう言い方は語弊があるかもしれません。何度か言っていますが義援金を否定しているわけではないのです。ただ、少ないお金で大きな被害に対応するには、費用対効果が重要になってくると思うので、義援金的な平等な分配の方法は効率が悪い気がして単純にもったいない気がするのです。

では、なにに投じるべきなのか? この問いに対する答えは様々でしょうが、僕は「やる気」に投じるべきだと思います。まさに「やる気を買う」訳です。

まあ、微妙にダジャレな感じなのは気のせいですw なんていうか義援金には波及効果をイメージできないんです。投じて、流れて、消えていく。一回こっきり。しかし、この方法だと色々なことに波及していくイメージを描ける予感がしたのです。

やる気って減りやすく増えにくいものだと思います。だから放っておくとゼロになる。しかし、もうひとつの特徴として「他人に影響されやすい」という特徴。自然減少分より多く増やそうと思ったら、この「影響されやすさ」を利用するしかないと思うんです。

「被災地に笑顔を届ける」このことを自分なりに考えていた所「一口オーナ制度」を知り、これらプロジェクトの人の発する熱みたいなものを利用することで、周りの人をやる気の渦に巻き込めそうな可能性を感じたのです。

無論そんな簡単には行かないでしょう。難問だらけだと思います。でも義援金について考えることで迷い込む暗闇みたいなものの逆、少しづつ問題が解決されていき明るくなっていけそうななにか、を感じたのです。まず、すごいと思ったことが、一番難しい心の問題がある程度クリアされている、という所。

心の問題で一番難しいと思うことはマイナスの状態を0に持っていくこと。簡単に言ってしまえば、うつ状態うつ状態で無くすこと。これって難しい。おそらく医者レベルでないと無理だと思う。ここってどうあがいても外部の人間が関われない(にくい)部分だから、自己解決されていると言う所がすごいと思った。よくぞそこまで自分の気持を持ち上げてくれました、と素直に思った。無論、完全解決しているわけではないでしょう。ふとした事で入り込む不安をかき消すために搾り出したやる気なのだと思う。不安をかき消すための空元気なのかもしれない。

でも、その空元気を本物の元気へ変えられそうな循環をイメージできた。「俺たちは未来をつくる」というメッセージに対して「頑張って」と返答することは誰にでもできる。100人いたら100人がそう答えると思う。でも「俺たちは未来をつくるから、1万円投資して欲しい」というメッセージに対して投資する人がどれくらいいるか… たぶん、だいぶ減ると思います。でも、それがもし10万円でも集められた場合、10人ははっきりと意思表明したことを伝えることが出来る。

  「私はあなたが創りだすであろう未来を信じる」

そういう強いメッセージ。簡単に出すことが難しいお金だからこそ、そういうメッセージをお金に載せることが出来る。そういう物語が乗ったお金を受け取った場合自分ならどう思うか? たぶん、やる気がでる。自然と湧き出てきて抑えられない感じのやる気。どうやって作って、どうやって返したら喜んでもらえるだろうか? とかを考えることで頭がいっぱいになると思う。余計な感情が入り込まなくなる。この状態が幸福なことなのかどうかはわかりません。ただ、少なくても僕には幸福な状態のように思える。きちんと納得、満足してもらえる製品作りに意識が集中する。

きちんと作って、届ける。明確なゴール設定。しかもその商品には「私たちはあなた達が信じてくれた未来を形にする為、本当に頑張った」という言葉だけでは伝わらない「本当に頑張った証拠」を載せることが出来る。

「俺を信じてくれ」とか「一生懸命頑張る」という人は結構いる。でも本当に信頼するに値する人、一生懸命頑張れる人は少ない。だからこそ、そういう人に出会えた場合は感動する。だからこそ、本当に頑張った結果を商品という確かな形にして届けること事は、金額以上の満足を届けることになるのではないかと思うんです。そこらへんに単純にビジネスとしてみた場合の可能性を感じました。

まあ、だいぶ変な解釈であることは認めます。ただビジネスの本質を「価値の交換」と考えた場合、様々なところに交換要素があるような気がするので活路、突破口を感じるわけです。また人の集団をドライブする上でキーになる「小さな成功体験」をそこかしこに感じるので、うまく発展・拡大させられそうなものも感じています。

長くなったので、ここらへんはまた来週。