クリエイティブの可能性合宿のススメ

2012年4月6-9日にかけてクリエイティブの可能性春合宿が開催されます。
僕はこの合宿の冬合宿に参加してきたのですが、めちゃくちゃ面白いイベントだったので、そのお誘いのための記事です。以下がFacebookのイベントページ。参加したい人は下記ページから参加表明して下さい。

クリエイティブの可能性 春合宿(第3弾)

僕が冬合宿参加後に勢いで書いた記事は以下のとおり。興味があったら読んでください。

東北に一週間滞在してみて今一番伝えたいこと

ついでに、これも読んでくれると嬉しい。

復興という言葉の意味を考えさせられた町、岩手県大槌

このブログを継続的に読んでいる人ならわかってもらえると思うのですが、僕は震災以降かなりの数の震災復興系イベントに参加しています。その経験を元に誰かにおすすめを聞かれたならば、いの一番にこのイベントを勧めます。

何故か?

それは、比較にならないから

数ある復興イベントの中でも、抜きん出て面白いイベント。まったくもって比較にならないほど面白かった。だから、たぶん春合宿もきっと面白い。だからおすすめ。とってもシンプルw

さて、この合宿自体の簡単な経緯を説明しておきましょう。

このおっちゃん、石川淳哉さんといって助けあいジャパンの中心人物で、広告業を営んでいるdreamdesignという会社の社長。

この人が、京都の大学で「クリエイティブの可能性」というタイトルの授業を7年間くらい実施していたのですが、その受講生を東北に連れていこうと企画して実施されたのが2011年8月に行われた夏合宿。

で、企画したのはいいものの24人しか集まらなかったらしい。で、「やめるか、期間短縮をするか。。。」と弱気になっていたところに、石川さんの友人が

石川さん、「クリエイティブの可能性」東北合宿の活動費、いくらか支援させていただけないでしょうか?僕はその日程は親兄弟との旅行が入っていて行けないのですが、心は皆さんと共にあります。被災地には行けませんが、被災地入りする皆さんを少しでも支援できればと思っています。このツアーは絶対にやってほしいと思っています。10万円ほど出させていただければうれしい

とダイレクトメッセージ。で、イシジュン改心。

明日から本気出す!!

と。 

。。。 

いやいや、さすがにその日から本気出したらしいw
その時のテンション高めの記事。

強行突破!

凄くない?
なに、この少年ジャンプ的熱い展開!!

熱い!! ひたすら熱い!! (・∀・)イイ!!

で、結果どうなったと思う?

。。。
。。



寄付金100万以上集まったw (|収支報告|クリエイティブの可能性東北合宿)



俺も明日から本気出す!! まじめに思ったね、その時w
イシジュンの本気凄くない? 

結果、学生の参加費用が無料になり繰越金ができたた為、冬合宿が企画された。

で、俺参加。
で、俺感激。 
で、俺宣伝。
で、今に至る、と。

冬合宿の何が面白かったのか?

ってことで、本題に入る。この合宿の魅力を一言で表すなら。

である、という事。

見てください、このダメ人間集団な感じを(笑)

っとっと、そうじゃないやw
まあ、この密集宴会も大変面白かったのですが、本質はそこじゃない。

この合宿の魅力は

「学び」にフォーカスがあたったボランティア活動である

ということだと個人的には思う。

合宿のボランティア活動で学べたもの

「ボランティア活動」


この言葉に違和感を感じる日本人は多いと思う。

偽善的である、とか
非力な自分が力仕事することに意味はない、とか。

僕もそう感じるタイプの人間だからよくわかる。でも、一度はやってみたほうが良いと思う。言い方は悪いかもしれないが、この合宿にとって「ボランティア」とは学びを得るための手段に過ぎない。

これを不快と思う人もいるかも知れない。

僕はプログラマなのでやるとしたらプログラム周りで何かしたい、と思っていたから、いわゆるスキルボランティアとかプロボノとか言われる活動を都内でしていた。また、肉体労働では大して意味ある活動はできないと思っていたので、がれき撤去等のボランティア活動するだけのツアー等にあまり興味がなかった。そう考えていた僕にとってはこの「学び」を重視したボランティア活動という点はすごく意味があり、価値があった。

というより、全くそんな事を期待して参加したわけではなかったので意外な収穫だった。しかも大漁!!

学べたことは色々ありすぎて書ききれない。おおまかに言えば

生きるとは何か?
日本の未来は?
はたらくとは何か?

について学べた。というよりは、あらためて深く考えさせられた、というのが正確な表現かもしれない。なんでこんなに考えたのか? についての理由はいろいろあるが、一番の理由は人数構成だと思う。学生30人社会人15人位の構成で、学生主体の合宿に社会人が混じる、という形が良かったのだと個人的には考える。

学生のみ、とか、会社つながりとかで社会人のみ、というケースは散見される気がしますが、学生主体に社会人が少し混じるという形態は聞いたことがない。この形式が良かったと思う点は、社会人は学生とあまり接点がない、ということもあるが、それ以上に「学生達の深い部分から出る素直な言葉」に触れることがまずないので、それに触れることができた。という部分。

また、社会人も学生たちの情熱に煽られて、結構ぶっちゃけトークをしたので学生側にも少なからず刺激を与えていた、と思う。というより思いたいw

この煽り煽られの関係性が学びを広く、そして深いものにしたのだと思う。
この学びは、学生のみでも社会人のみでも絶対に得らることができない広さと深さ。
だから改めて思う。この経験は刺激的で稀有だった、と

この合宿で生まれたもの

この合宿で生まれたものは沢山ある。主には人間関係だろう。
でも、僕の中で一番生まれたのは


やる気


そう、かの有名な 「やる気! 元気! 井脇!」 のやる気だw
どのくらいやる気が出たのかというと「やる気茶屋」並には出た!!

そう、そんな空回りしている感じのやる気だ (涙)

まあ、それはいいとして、このやる気は「はたらくとは何か?」と深く向き合った結果かもしれない。まあ学生たちの頑張りに煽られているとかそういう部分も多々ある。相乗効果だね、いわゆるひとつの。

だから「はたらく」という事になにかしらのひっかかりを感じている人にとっては、行ってみる価値は絶対ある。間違いない。

このボランティア、役に立った?

ここで少し「このボランティアは東北の為、被災者の為になにか役に立ったのだろうか?」について考えてみる。

僕は「僕が肉体労働系のボランティアをやったって大したことが出来ない」と思っていた。経験した後の今もそう思っている。でも、やってよかったと思う。

意味がない、と思ったまま
意味がないと思っているが、やってみた。やっぱり意味がなかった

という2つの事象の差異は、結論的には同じかもしれないが、やはり違うものだと思うから。

物理的にガレキが片付いたかどうか? という観点からすれば大したことはできなかった。でも、言い訳させてもらえば「ゼロでなかった」ということには多少の意味があったと思う。ゼロでない限りは積み重ねることができると思うから。

この無力感は「3日で答えをだそう」とか「意味ある貢献を残そう」とか、思い込んでいたからなんだと思う。簡単にいえば気合入れすぎて功を焦っている状態だったからだと思う。

あれだけのダメージ。短期間で解決できることなど何もない。そういう考え方はとりあえず置いておこう。この合宿をきっかけに自分の学びを最大化させればいい。自分のためだけに参加してみたらいい。

本気で学び、本気で遊んだ合宿だった。だから僕は、この合宿は「大人の修学旅行」である、と伝えている。最強に楽しい合宿だったから。

これを聞いたあなたは、もしかしたらこう思うかもしれない。

「それって自分が楽しんだだけの自己満足じゃん!」

たぶん、そんなこと。
でも、今の僕ははっきりとこう反論する。

「それの何が問題ですか?」

かなり、イッちゃっている反論だとおもうが、割とまじめにそんな事を思っている。

世の利益と自分の利益が一致するという事

この合宿の2日目に、陸前高田で現地の方と共に畑仕事を手伝うというボランティアをしたのだが、その作業の合間の雑談の中で、現地の方が「ボランティアするということ」についてこんな話をしていた。

自分でやりたいからやる。これが、世の為だったり、倫理にあっていればなおよし。
世の利益と自分の利益が一致しているのは幸せなこと

自分のためでいいんだよ、そんなシンプルなメッセージ。

わずか3日で東北に残せるものなど何もない、と今でも思う。
でも、行ったほうがいい。
いま「自分にとってはたらくとは何か?」について深く考えることにはきっと意味がある。

今だからこそ意味がある。

そして、社会の利益と自分の利益が折り合う働き方とかについて考えると思う。
その結果、今の自分の仕事に真剣に取り組むようになるのかもしれない。
あるいは、折り合う働き方を見つけようと今の仕事をやめるのかもしれない。

それはわからない。

いづれにせよ、自分の心の中で働くことについてのポジティブな変化が生まれると思う。この合宿の主催者であった石川さん(冬合宿主催者は中島明さん)はこんな理論を唱えている。

101%理論

詳しくは、本人の記事に譲るとして、簡単にいえば今日の仕事を昨日より1%だけ本気に取り組むようにすれば、その積み重なりは膨大なものになる、という理論。

この合宿に参加して、その後一切東北にボランティアに行かなくなったとする。僕はそれでいい、という考えの持ち主。何度も東北にボランティアに行くということは、費用対効果からみれば明らかに効率が悪いと思っているから。

だから全国民が一度だけ行けばいい、と思っている。

この考え方に批判的な人もいると思う。遊びがてら来てもらっても困る、そんな批判。その批判はよくわかる。でも、僕はそう思っている。究極的には

合宿を通じて参加者の心に1%のやる気が生まれさえすればいい

それだけでいい、と思っている。101%理論ではないが、この合宿をきっかけに参加者の1%のやる気が死ぬまで続くようになれば、そこから産み出されるパワーは膨大なものになる。

でもそれって東北と関係ないよね? と思うかもしれない。

それはちょっと違う。もし、この合宿をきっかけに参加者が「自分の利益と社会の利益と折り合う働き方」を見つけられたとしたら、その膨大なパワーの何割かは自然と社会貢献へ注がれることになる。そうなれば、その参加者が日本で活動、あるいは世界で日本人として活動する限り、その貢献は日本という器の中にたまり続けることになる。

そして、東北が日本の一部であり続けるかぎり、その貢献の一部は必ず東北へ注がれ続ける事になる。

そんなふうに「3日で成果を出す」という思考をやめ、参加者の残りの人生という長いスパンで考えることに変更してみると、必ずしも東北に通い続けることだけが最善の貢献方法ではない、ということが見えてくる。

僕はそんなふうに考えている。自己満足への欲求はどんな人間だって強い。おそらく一番強い感情。だからこそ、自己満足の方向と社会の利益の方向とを一致させられさえすれば、あとは自己満足の最大化のみを考えて行動するようにするだけでよくなる、と考える。

これが正しい答えなのかどうかはわからない。でも僕が合宿を通じて出せた大切な答えであることは間違いない。

あなたがこの合宿に参加することで、どんな答えを見つけるのかはわからない。

でもどんな答えを見つけたとしてもその答えはきっと、この先の人生においてずっとあなたの心を1%だけ励まし続けてくれる大切な答えになると思います。きっとそうなる。

だから行ってみて欲しい。

春合宿の主催者について

今回の春合宿は冬合宿参加者の野田さんというナイスガイがファシリテーターを務めます。助けあいジャパンで活動している人だ。野田さんがどんな考え方をする人なのか、については以下の記事を参照してもらえるとよくわかります。はてブとイイネが1000を超えるという力作です。

これからの30年を考える7つのメガトレンド

ココらへんもおすすめ
togetterにまとめきれなかった、グローバリゼーションの本質

冬合宿参加の感想はこれね。
クリスマス 東北へボランティアに行った 若者たち

最後に野田さんのこの春合宿にかける思いが詰まった記事。
続けること、伝えること:1%の1歩先へ


全部長文だけど、読む価値はある記事ばかりなので暇があったら読んでみてください。とても魅力的な人間なので、野田さんと旅行をするというだけで、きっと楽しい合宿になることは確実です。

寄付のお願い

この合宿のもう一つ面白い点は、学生たちのは大人たちの寄付によって代金が安くなる、という形式をとっている所。最初これを聞いた時「無茶するな。集まるんかいな」と思ったものですが、結構集まるもんですね。以前の僕ならこれに寄付しようとは思わないかったのですが、今回は寄付しようと思っています。僕の寄付で、この合宿に学生を一人送り込めるのなら安いな、と思えるからです。

この寄付で一人の学生の残りの人生で生み出せるエネルギーが何倍にもなったのなら元は十分に取れるでしょう。きっとそうなります。そう思えるものがこの合宿にはありました。だから僕は自分の未来にかかわる日本の未来の為に「人に投資」しようと思います。それが家や株に投資するよりもずっと楽しくて効率のよい投資だと思うから。

ちなみにちょっとしたリターンもありますよ。ただ、それが寄付した人にとって払った分の価値があるかどうかはわかりませんが。。。 この文章や、イベント紹介ページの文になにかしらの引っかかりを感じた人は寄付をお願いしたいです。

下記がその寄付先の口座です。 

三菱東京UFJ銀行・笹塚支店(138)・普通 0122475
名義:ノダユウキ 

個人口座なところが、取込詐欺っぽくて恐怖でしょw 主催者の人格が疑われる部分ですが、それでも集まっちゃうところがこの合宿の面白いところだと思います。この寄付によってリターンがあるかどうかは不明ですが、たぶんきっとその分日本の未来は明るくなると思います。間違いない!!

最後に

いろいろごちゃごちゃいったけど、僕の伝えたい事は割りとシンプル。
ということで、最後になりますが伝えたい大切な言葉を画像にしてみました。